(レポート)物流DXの新潮流 音声翻訳が変える現場オペレーション~外国人スタッフが即戦力化する、最新AI通訳ソリューション活用術~
ポケトーク株式会社
セールスDiv Leader
柳澤 憲人 氏
本日は「物流業の人手不足の解消、定着を促進する。外国人の採用から定着、即戦力化までの実践ノウハウ」というテーマでお話しさせていただきます。私どもポケトーク株式会社はAI通訳の領域を手がけている事業会社で、物流業の皆様にもAI通訳を使っていただいています。本日は、実際にポケトークがどのように現場のオペレーションを変えているのかを、事例とともにご紹介できればと考えています。
●ポケトークの概要
私はポケトークシリーズの営業全般を担当しており、物流業界の現場にも足を運ぶ機会が多くあります。お客様にどう使っていただき、どう成功体験を得ていただくかという点を中心にお話しします。
ポケトーク事業は今年で10年目になります。2022年に分社独立して、現在の会社として4年目を迎えています。ミッションは「イノベーションで言葉の壁をなくす」です。AIが注目される中で、私たちはAI通訳に特化してきました。
ポケトークは2018年頃から展開を始め、当初は海外旅行者向けのBtoC製品としてご認知いただきました。現在はBtoBを中心に、法人のお客様向けの製品・サービスを提供しています。導入企業は1万社を超え、幅広い業種でお使いいただいています。AI通訳機は累計130万台以上を出荷し、約200のエリアで利用されています。累計翻訳回数は3億回に達しています。
製品ラインナップは、ポケトークS2、ポケトークX、ポケトークZといったAI通訳機のほか、AI同時通訳「センティオ」というソフトウェアがあります。さらに、イベントやセミナー向けの「センティオ・カンファレンス」、学校の授業向けの「ポケトーク・フォー・スクール」、観光ツアー向けの「ポケトーク・フォー・ツアー」などがあります。今後は、医療・介護の現場や高齢者の方に向けたAI筆談機も展開予定です。
●実機デモンストレーションによる翻訳機能の紹介
講演の冒頭では、実際の端末を使って翻訳機能を実演しました。ポケトークは、ボタンを押して話すだけで自動的に翻訳される仕組みで、対応言語は92言語です。
デモでは物流現場での指示を想定した例として、ベトナム語に翻訳して紹介しました。「14時から1番ドックに到着するトラックは、商品コードG200の荷物です。今回のロットから、消費期限の印字場所は変わっているので、必ず検品時に確認してください。パレットの中に破損を見つけたら、勝手に棚に入れず、すぐに写真を撮って本部に報告してください」という内容です。ベトナム語、インドネシア語、ネパール語、ミャンマー語、スリランカ語、バングラデシュ語などは、技能実習生の入国が多いことから特によく使われているとのことです。
続いて、AI同時通訳「センティオ」を、参加者がスマートフォンやタブレットで体験する方法を示しました。QRコードを読み取るだけで体験でき、話者の発言が画面上で文字起こしされ、翻訳結果が表示されます。表示は77言語から選べるほか、音声出力や文字サイズの変更、1言語・2言語の表示切り替えにも対応しています。朝礼や研修の場面を想定すると、ベトナム語で聞きたい人、ミャンマー語で聞きたい人がそれぞれの言語で同じ内容を受け取れるため、言語ごとに分けていた朝礼を、1対Nで一斉に行えるようになります。
●現場の課題
外国人の方の定着が難しいと感じる企業は少なくありません。2030年には約419万人、2040年には約688万人の需要が見込まれる一方で、供給はまだ不足しています。外国人の方へのアンケートでは、就職先に求める条件として金銭面の条件が27%、外国人でも働きやすい環境が20%という結果が出ています。受け入れ側には、環境づくり、福利厚生、そして言語の不安を解消することが求められています。
外国人の方が日本で働いて苦労した点としては、日本特有の文化・マナー・商習慣に難しさを感じる方が53.2%、専門用語や業界用語の習得に苦労した方が41%程度いらっしゃいました。また、2023年までのデータでは、外国人技能実習生の失踪が過去最多の9,700名にのぼっています。
現場では、大きく三つの課題をよく伺います。
| 作業ミス | 最も多いのが「わかったフリ」です。返事はするものの、実際には理解していないことが少なくありません。なぜ質問しないのかを聞くと、「怒られるのが怖い」「リーダーが忙しそうだった」という声が返ってきます。その結果、不良品や品質の低下につながっています。 |
|---|---|
| 認識のズレ | 危険を伝える言葉、例えば「危ないよ、触るなよ」といった表現さえ伝わらないことがあります。安全の基準は会社や国、文化によって大きく異なるため、「わかっているだろう」と思っていたことが事故につながるケースもあります。 |
| 静かな離職 | 業務の指示は伝わっていても、休憩中や雑談の場でコミュニケーションが取れていないと、周囲との間に断絶が生まれます。疎外感が積み重なり、ある日突然いなくなってしまうという声もあります。 |
●導入事例
ここからは、音声翻訳を活用している企業様の事例をご紹介します。
一つ目は、空港の物流業を営む株式会社サンエアカーゴサービス様です。
国籍の異なる従業員の方が多くいらっしゃる中で、人事・労務の担当者がポケトークで会話し、さらに画面上の字幕で母国語を確認していただくことで、安全指示を正確に伝えています。同社からは「命と安全を守る。伝わる環境が、信頼と定着の大前提です」というメッセージをいただいています。
二つ目は、ASKUL LOGIST株式会社様です。
以前は通訳担当者に任せていたため、わかったフリが横行していました。ポケトークの導入後は、外国人スタッフの方が自分で上司や先輩に質問できるようになり、会話の所要時間が約半分に短縮されたそうです。「わからないと気軽に言える心理的安全性が、主体性を引き出し、業務効率を改善してくれる」とのお声をいただいています。
そのほかにも、海外の大学での採用活動、食品工場での通院サポートや労災対応、自動車メーカーの外国人エンジニアの合同会議などで活用されています。また、端末のカメラで誓約書や契約書を撮影して翻訳し、理解してから署名してもらう使い方もあります。導入研修では大型スクリーンで3言語を同時表示する例もあり、用途は業界によってさまざまです。
●外国人材を「定着」させる三つのメカニズム
多くの企業様とのやり取りから得た知見として、「業務効率」「心理的安全性」「ロイヤルティ」という三つのメカニズムがあります。
| 業務効率 |
採用して配属初日に言葉の壁にぶつかるのが多くの現場の実情です。 ポケトークを導入すると、起動が早く会話のテンポも良いため、指示がスムーズに伝わるようになります。伝達率は、体感で半分程度だったものが約80%まで改善したというお声もあります。また、同じ説明を何度もしなくてよくなり、教育コストの削減にもつながっています。 |
|---|---|
| 心理的安全性 | 質問のハードルをゼロにできることが大きな効果です。通訳を呼ばなくても、端末に母国語で話しかけるだけで質問できます。そうした小さなやり取りが雑談を生み、関係性の構築につながります。言葉がわからないことで生じる誤解の解消にも効果があったという声をいただいています。 |
| ロイヤルティ | 業務外の生活面にも目を向けることが重要です。家族で来日している方にとっては、役所の手続きや通院、買い物などの生活の不安が、働き続けるうえでのストレスになることがあります。仕事だけでなく生活まで含めた福利厚生のツールとしてポケトークを導入し、「受け入れていますよ」という企業の姿勢を示すケースもあります。 |
●まとめ
本日は、外国人人材の採用と定着において、言葉の壁が業務効率、安全、そして離職に大きく影響しているというお話をさせていただきました。指示が正しく伝わらないと作業ミスや労災につながりやすくなり、質問しづらい環境が続くと、孤立や早期離職を招いてしまいます。現場ではこうした課題を多くお聞きしています。
人手不足への対策を採用や賃金だけで考えるのではなく、現場のコミュニケーションを見直していただくことをお勧めしたいと考えています。言葉の壁を取り除くことは、教育コストの削減や定着率の向上につながる可能性があります。導入をご検討いただく際は、社内用語への対応状況やセキュリティ要件も含めて、ぜひトライアルでご確認いただければ幸いです。
ポケトーク株式会社 セールスDiv Leader 柳澤 憲人 氏
募集要項
| イベント名 | 9/30 オンラインセミナー:物流DXの新潮流 音声翻訳が変える現場オペレーション~外国人スタッフが即戦力化する、最新AI通訳ソリューション活用術~ |
|---|---|
| 日時 | 2026年9月30日(水) 16:00~17:00 |
| 会場 | オンライン受講(Zoom) |
| 参加費/定員 | 参加費:無料/定員:100名〈先着順〉 |
本件に関するお問合せ
- お問合せ先:
- 株式会社シーアールイー マーケティング部
- 担当:
- 杉本(スギモト)
- メール:
- leasing_mail@cre-jpn.com
- 電話:
- 03-5545-7402