ロジ・ソリューション株式会社

物流に着目することで経営面でプラスに転じる

ロジ・ソリューションの中谷祐治氏が上梓した「間違いだらけの物流業務委託 ~パートナー選択・運用で失敗しないための鉄則」(日刊工業新聞社発刊)が業界で話題を呼んでいる。

メーカー第2コンサル部 部長 中谷祐治 氏

物流事業者のセンコー及びロジ・ソリューションでコンサルタントとして活躍した中谷氏が、これまで見聞き・感じたことをまとめたもので、ロジ・ソリューション配信のメールマガジン「ばんばん通信」をはじめ、講演したセミナーの内容などの総集編としたが、最新情報を盛り込むために大幅手直しを加えた力作でもある。

荷主企業の物流業務委託先である物流事業者(パートナー)選びについて、プロの物流コンサルタントである中谷氏にその極意を聞いた。

物流に着目することで経営面でプラスに転じる

――本書の読者対象は?

中谷 調達・生産・物流・販売まで、企業内サプライチェーンの全体最適化を目指す荷主企業の役員が知ってもらいたい情報を満載しました。もちろん物流ご担当の方、経営企画の方、会社全体の改革をされる方にも有益な情報と自負しています。

荷主企業を訪ねる機会が多いのですが、まだこんな会社があるのかと驚くことも多い。「物流専任の担当者はいません」「物流の担当者は一人で全部見ています」という企業では、ロジスティクスという戦略的な側面まで手が届いていないでしょう。メーカーは作ること、売ることには全力を注ぎますが、物流にはコストカットという引き算ばかり目立つように思えます。

物流にも着目することで経営もうまくいく――、これは日頃から考えていることです。これまでセミナーなどの講演でお伝えしてきましたが、本書もその活動の一環として出版しました。

――荷主が物流に求める要素の最大はコスト削減となりますか。

中谷 これまではひたすら「コスト削減」や「効率化」でしたが、現在はドライバー、庫内作業のスタッフが不足する環境下にありますから、いかに安定的に物流をこなせるかということに視点が移っています。大手企業になるほど、この傾向は顕著になりますね。

ドライバーが不足していることから輸配送のトラックが手配できない、特積便事業者から集荷枠を指定されるなどのケースも多く、荷主も物流事業者も仕事の枠を自ら狭めている状態といっていいでしょう。その対策として共同配送や庫内作業で自動化できるマテハン機器や省力化機器の導入もその一環だと思います。

自家物流では、物流コストが見えなくなるケースが大多数を占めています。その対策として、物流会社へアウトソーシングを考えてみるとコストが見えてきます。

現状を知らないと、「何をどうしていいのか」知るすべがありません。もちろん自社ですべて把握していたらいいのですが、これがなかなか難しい。いざ改善しようとしても、自分たちが得意な領域を中心に手がけるためにあまり成果があがりません。

全体から俯瞰して、どこに手をつけたらいいのか、どこから注力していくことという全体最適という観点が必要ですね。また物流のご担当の方は物流しか知らないことも多く、生産や販売など前後のプロセスまで管理して幅を広げて改善していかないといけません。そこで必要なのが、ロジスティクスの観点なのです。

委託先の物流事業者を評価する

――本書ではコンサルタントをされた事例が多数紹介されていますが、最近の傾向を。

中谷 物流のコンサルティング業務は、多数の案件があると聞きます。最近の傾向として、「自社の現状を知って改善したいが、どうしていいかわからない。可視化するために現状分析と方向性を決めるケース」が多いですね。また「現状を改善したつもりだが、第三者のプロの目で確認してほしい」という依頼も多く、特に多いのが物流業務の棚卸し作業に関するニーズとなります。

――コンサルタントを依頼する際の注意点は?

中谷 ロジ・ソリューションのメンバーは親会社のセンコー出身者が多く、アパレル、ケミカル、住宅、スーパーやホームセンターの流通系など、それぞれが得意分野を持っています。私はそれらの業種以外にも食品、鉄、ほか、あらゆる産業の物流に携わってきました。最近では、国際物流や海外でもご支援しています。

物流は幅が広いため、コンサルタント会社やコンサルタントを選ぶ際に、どこに(誰に)、お願いすればいいのかが大きなポイントです。物流の企画面が得意な人、現場改善が得意でマテハン導入後のオペレーション改善を得意にしている人など、自社のニーズが合致している人を見つけるかが大きな鍵となります。そのチョイスにミスがあるとお金ばかりかかり、成果は上がらないという事例も多く見受けますね。

――そういう場合の荷主の相談先は?

中谷 信頼できる方の紹介のほか、やはり数を当たるしかありません。物流事業者に相談したら、無償で簡易提案をしてくれますが、中立的ではなく、自社の商品やセンターを売り込みたいという目的があります。一方コンサルティング会社は中立な立ち位置ですが、料金がかかります。

そのため、どちらに相談するかはケース・バイ・ケースと見たほうがいいでしょう、一例ですが、最初は物流事業者のラフな無料提案をもとに方向性を検討し、その後でコンサルタントに診断してもらうなどの、使いわけを考えたほうがいい。

荷主企業で物流を外部になにも委託していない会社はありません。たとえば配送はA社さんにいう企業もあれば、3PL事業として委託企業もあり、各社が依存しているわけです。

そこで必要なのが、自社がすでに委託している物流事業者の評価をすることです。今までお願いしている事業者に対し、料金値下げなどの交渉はよくあると思いますが、重要なのは「本当にその事業者でよいのか」「改善すべき点はないのか」――、という評価指標をあげることです。相手の強みと弱みを把握して、その事業者と一緒に考えてもいいと思います。

物流事業者を切り替えるにはリスクが高いため、永年お付き合いがあり、業務内容をよく把握されている物流事業者と一緒に改善をしていくこともいいと思います。

自社の掲げる目標と物流委託先がマッチしているか

――「3PLをコスト削減の切り札と考えてはいけない」と本書で書かれています。

中谷 3PLと聞くとばら色のようなイメージを抱かれる荷主企業も多いのですが、3PLそのものに理解が不足しているケースもあります。

そこで欠かせないのが、荷主が自社の掲げる目標と物流委託先がマッチしていること。また物流コンペを行う際には、各物流事業者に対して、現在委託している事業者が知りえる同程度の“現在の物流実態”情報を提示する必要があります。日頃から物流業務の棚卸しなどの作業を実践していた場合、ある程度は全体像が見えてくるでしょう。

また自社内でのコンセンサスをしっかり定めていかないと、後で各部門が言いたいことを主張し、コンペ自体も怪しくなってしまうケースもあります。

例えばオーダー受注締めから出荷までの時間短縮を狙うのか、物流品質を高めたいのか、サービスを付加したいのか……、方向性をはっきりと決めることが重要です。3年後・5年後の中長期的なビジョンを見据えないと、ピントが合わなくなってしまう可能性もあります。

また物流業務の委託はパートナーを選ぶことでもあり、お互いにレベルを上げて、よい相手を見つけることが最善となります。

「間違いだらけの物流業務委託  ~パートナー選択・運用で失敗しないための鉄則」

日刊工業新聞社は中谷祐治氏著の「間違いだらけの物流業務委託~パートナー選択・運用で失敗しないための鉄則」を発刊した。A5判、184頁、価格2,376円(税別)。

●もくじ
第1章:だから物流業務の委託は失敗する
第2章:自社の物流業務がわからない
第3章:失敗しない物流業務委託先の選び方
第4章:新規パートナーへのアプローチ
第5章:3PL体制に進化する
第6章:より良い物流パートナー関係熟成のために

※インタビュー:2015年8月当時
数字や役職・名称等は、2015年8月当時の情報を使用しています。

関連サイト

ロジ・ソリューションHP :
http://www.logi-solu.co.jp/

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