物流倉庫とは?2026年最新の市場動向や、種類を解説

CREコラム

物流倉庫とは?2026年最新の市場動向や、種類を解説

物流倉庫とは、商品の保管・仕分け・出荷などを行う物流施設であり、サプライチェーンを支える重要なインフラです。近年では、単なる「保管場所」ではなく、自動化・多機能化が進み、事業戦略における中核的な役割を担うようになっています。
こうした物流倉庫の重要性が高まる中、「物流倉庫の市場」への注目はますます高まっています。エリアごとの需給バランス、開発動向を把握することは、拠点選定や投資判断に直結するためです。本記事では、物流分野に強みを持つシーアールイーが、物流倉庫の基本や独自調査に基づいた最新の市場動向、種類について、わかりやすく解説します。

物流倉庫とは

物流倉庫とは、商品の保管や仕分け、配送を担う施設です。主にメーカーや小売業者、物流会社などが利用し、在庫の管理や流通の調整に欠かせない役割を担っています。
荷物の種類や取扱量に応じて、常温・冷蔵・冷凍といった温度帯や、平屋建て・多層階といった構造の違いがあります。仕分けや配送などのフローもシステム化されて管理されるため、効率性を求められる物流業務において重要な拠点です。

拡大を続ける国内賃貸大型物流倉庫市場|2026年最新データを用いて解説

近年の物流倉庫市場は、EC市場の拡大や物流網見直しの動きを背景に、成長が続いています。特にコロナ禍以降は、EC需要の増加に加え、在庫確保や配送リードタイム短縮への関心が高まったことで、物流倉庫需要が拡大しました。
こうした需要拡大を受け、大手デベロッパーだけでなく、商社や保険会社など異業種からの参入も進んでおり、物流倉庫市場は活況を呈しています。その結果、物流倉庫の新規供給も継続的に増加しています。

以下のグラフは、シーアールイー独自調査による、日本国内主要エリアにおける賃貸大型物流倉庫の年間竣工面積推移を示したものです。2026年の数値は、2026年3月時点の調査に基づく想定値を含みますが、10年前と比較すると年間竣工面積は約2倍拡大していることが分かります。

※日本国内主要エリアは、首都圏・関西圏・中部圏・九州圏を指します。なお、同エリア内であっても、シーアールイー独自のエリア定義により一部対象外となる物件があります。


日本全国の1万㎡以上の賃貸物流倉庫の新規供給量の推移
出所:株式会社シーアールイー| 倉庫・物流不動産 マーケットレポート調査情報をもとに作成
日本全国の1万㎡以上の賃貸物流倉庫の新規供給量の推移
出所:株式会社シーアールイー| 倉庫・物流不動産 マーケットレポート調査情報をもとに作成

物流倉庫市場が拡大している背景

物流倉庫市場拡大の最大の要因は、EC市場の成長です。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、国内BtoC-EC市場規模は拡大傾向が続いています。従来の店舗物流では、商品を店舗へ一括配送するケースが中心でした。一方、EC物流では、消費者ごとに異なる商品を個別配送する必要があり、多頻度・小口配送への対応が求められます。
そのため、物流倉庫には単なる保管機能だけでなく、高い出荷処理能力や効率的な仕分け機能、流通加工対応力などが求められるようになりました。
また、配送リードタイム短縮へのニーズも高まっています。「翌日配送」「当日配送」が一般化したことで、消費地近郊へ在庫を配置する重要性が増し、都市近郊型物流施設への需要拡大につながっています。

機能別:物流倉庫の種類

物流倉庫(物流センター)は、担う機能や役割によって、いくつかの種類に分けられます。以下では、具体的に倉庫の種類を解説します。

DC(ディストリビューション・センター)

DC(ディストリビューション・センター)とは、保管業務を含んでいる物流拠点です。DCでは、入荷してきた商品を一度保管した後、出荷指示に応じてピッキング、梱包、配送を行います。また、物流センター内でラベル張りや詰め合わせ、ギフト包装などの流通加工作業も行います。

TC(トランスファーセンター)

TC(トランスファーセンター)は、主に商品の積み替え作業を行うための物流拠点です。TCは在庫を持たない倉庫であるため、一般的な倉庫の保管機能を持っていません。メーカーなどから商品が届くと、即座に仕分けや積み替えを行い、そのまま小売店や卸業者などに出荷をします。

PDC(プロセスディストリビューションセンター)

PDC(プロセスディストリビューションセンター)は、準工場化された機能を持つ物流拠点であり、詰め合わせなどの簡易的な流通加工のみならず、肉や魚の加工、パック詰めといった生鮮食品加工や機械の組み立てなど、より高度な流通加工を行います。PDCは、加工作業を行うため、生産ラインや人件費といった各種コストがDCなどと比較して多くかかる点が特徴です。

FC(フルフィルメントセンター)

FC(フルフィルメントセンター)は、顧客からの発注から発送、在庫管理、顧客対応までを包括的に対応する物流拠点です。また、物流機能だけではなく、ITインフラやバックオフィスなどの機能なども整えられています。フルフィルメント by Amazon(FBA)や、楽天スーパーロジスティクス(RSL)、ヤマト運輸フルフィルメントサービスなどが該当します。そのため、小ロット多品種を取り扱うEC事業者にとって、業務の効率化を実現させるために有効な施設となっています。

立地別:物流倉庫の分類

物流倉庫の立地は、生産拠点または消費地のどちらの近くに配置するかによって分類されます。倉庫の配置は、保管する物や物流ネットワークに合わせて選択する必要があり、事業に影響を与える重要な要素です。

生産立地型

生産立地型の物流倉庫は、主に製造拠点や仕入れ先の近くで商品を保管するために建てられる倉庫です。近くに置かれることで輸送距離が短くなり、輸送コストや時間を削減できます。特に生鮮食品加工や建築部材、アパレルメーカーなどに多い形態であり、仕入れ頻度が高く、配送先よりも仕入れ先のほうが多い業種で採用されています。

在庫を効率的に管理し、タイムリーに出荷できる体制を築きたい場合には、生産立地型を選ぶとよいでしょう。

消費立地型

消費立地型の物流倉庫とは、商品を消費する地域の近くに作られた倉庫のことです。消費立地型は商品を配送先に迅速に届けることが可能であり、仕入れ先よりも配送先の件数が多いケースや、配送スピードが求められる業態に向いています。

また、賞味期限が短い生鮮食品や日用品を取り扱う場合にも、消費立地型の倉庫は適しています。商品の劣化を防ぎつつ、新鮮な状態で配送先に届けられるため、食品業界や小売業界などで採用されています。

まとめ

物流倉庫の最新の市場動向や需要、種類について解説してきましたが、最適な物流倉庫を選定するためには、個別物件の条件だけでなく、市場全体の動きを把握しておくことも重要です。自社の事業フェーズや将来的な物流戦略を見据えながら検討を進めることで、より合理的な判断につながります。

特に、エリアごとの需給バランスや空室率の動向は、倉庫選定や賃料水準を見極めるうえで欠かせない指標の一つです。こうした市場データを客観的に把握することで、倉庫探しや拠点戦略の検討をより具体的に進めることができます。
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