BTS倉庫とは?メリット・デメリットやBTS倉庫の事例も紹介

CREコラム

BTS倉庫とは?メリット・デメリットやBTS倉庫の事例も紹介

BTS倉庫とは、「Build To Suit(ビルド・トゥ・スーツ)」の略で、特定のテナント(入居企業)の要望に合わせて開発されるオーダーメイド型の倉庫施設を指します。画一的な倉庫ではカバーしきれない細かな要望に応えるBTS倉庫は、効率性・作業性を重視する物流戦略において、重要な選択肢となっています。本記事では、物流施設開発に強みを持つシーアールイーが、BTS倉庫の基礎知識やメリット・デメリット、BTS型倉庫の事例について独自の切り口でわかりやすく解説します。

BTS倉庫とは

BTS倉庫は、特定の企業のニーズに合わせて設計・建築される物流倉庫を指します。文字通り「目的に合わせて建てる」という意味で、テナント企業とデベロッパーが密に連携し、立地条件や施設規模、設備仕様などを詳細に打ち合わせることで、より効率的なレイアウトや設備の導入が可能になります。

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マルチテナント型倉庫との違い

よく比較・検討されるのが、マルチテナント型倉庫です。BTS倉庫は一社がテナントとなって使用することが多いのに対し、マルチテナント型倉庫は、ひとつの倉庫に複数企業が区画分けして入居し、利用されることが多い施設です。マルチテナント型の倉庫は、他のテナント企業との共用部があるため、BTS倉庫と比べると現場でのトラブルが発生する可能性やセキュリティ上のリスクもあります。

BTS倉庫のメリットとデメリット

ここでは、BTS倉庫の利用にあたってメリットとデメリットに触れていきます。

メリット1:オペレーションの最適化を支える倉庫仕様

メリットの1つ目は、企業のオペレーションの最適化のための仕様を倉庫に反映できる点です。温度管理の観点で冷凍・冷蔵設備を導入したり、大型搬送装置などの自動化機器をデッドスペースを生みにくく配置できるようにしたり、取り扱う荷物や運営の特徴に応じて柔軟な設計が可能です。
また、セキュリティの高さもメリットの一つと言えます。マルチテナント型と異なり施設に出入りする企業が限られるため、セキュリティの強化がしやすい点があります。

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メリット2:事業計画とシンクロした拠点開設

メリットの2つ目は、事業計画と物流拠点の開設をシンクロさせることが出来る点です。
事業計画に合わせた物流戦略を立てることで、需要の変動や新たなビジネスチャンスにも素早く対応できます。その結果、競争が激しい市場でも優位性を維持しやすくなります。また連動した拠点戦略は移転時までのタイムラグを減少させ、拠点立ち上げ時のコスト抑制にもつながりやすくなります。

メリット3:企業のブランディング

メリットの3つ目は、ブランディングにもつながる点です。物流倉庫は単なる拠点ではなく、お客様や地域との信頼関係を築く大切な基盤でもあります。倉庫を新設することで新たな雇用が生まれ、周辺地域の活性化にも貢献できます。
BTS倉庫は比較的長期間の利用を前提とした施設のため、企業の想いが反映された倉庫は、これまでの実績や今後の姿勢を示す象徴となります。また、お客様からの信頼を示すフラッグシップ倉庫としての役割も果たします。こうしたBTS倉庫の存在は、市場・お客様・地域それぞれに対してブランド価値の向上につながります。

デメリット

BTS倉庫は比較的長期での利用が前提となるケースが多いため、事業計画との整合性が重要になります。もし市場動向や事業戦略が変化し、倉庫仕様を変更する必要が生じた場合には追加コストや運用面で制約が発生するリスクもゼロではありません。
このように、将来的なビジネスの拡大や新規事業への参入なども視野に入れて導入を進めることが求められます。

BTS倉庫の事例:富山西インター物流倉庫(塚本郵便逓送)

塚本郵便逓送株式会社は、2021年に株式会社シーアールイーが富山県で開発したBTS型物流施設「富山西インター物流倉庫」に入居しました。同施設は、北陸エリア初となるEC物流に特化したBTS倉庫で、同社にとって事業拡大の重要な拠点です。従来は限られたスペースで一部の通販事業者に対応していましたが、富山西インター物流倉庫の稼働により、総合通販など多様な荷主との取引が可能となりました。稼働から半年で満床となり、2021年には月間約20万件だった月間出荷件数も、2023年には約30万件と、1.5倍に拡大しました。倉庫は北陸自動車道・富山西インター至近という優れた立地に加え、働きやすい環境や高水準の設備も整っており、BTS倉庫の成功事例といえます。

※CREのBTS型倉庫開発で建てられた「富山西インター物流倉庫」
※CREのBTS型倉庫開発で建てられた「富山西インター物流倉庫」
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まとめ

多くのメリットがある反面、リスクもはらむBTS倉庫ですが、物流を取り巻く環境が激変している今、他社との差別化や更なる効率化を目指し、検討を進めている企業は増えつつあります。ぜひ、本記事を通じて得られた知見をもとに、自社の物流最適化を検討されてはいかがでしょうか。

シーアールイーが運営するサイト「CRE倉庫検索」では、各社の物流課題への取り組みを独自取材したインタビュー記事など物流課題の解決のヒントとなる情報も豊富に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

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