チャーター便とは?混載便との違いや種類についても詳しく解説
チャーター便とは、単独の荷主のためにトラックや飛行機などの輸送手段を丸ごと貸し切る輸送サービスです。状況に応じて柔軟に対応できる反面、コストや手続きの面で注意が求められます。本記事では、チャーター便の仕組みや選ぶ際のポイントなどを幅広く解説していきます。
チャーター便とは
チャーター便とは、依頼者単独の荷物を運ぶためにトラックや船舶、航空機などを貸し切るサービスを指します。スケジュールやルートを自由に決定できるのが特長です。割高な費用がかかる傾向があるものの、チャーターする輸送手段の積載可能量に近い荷物量の時や急ぎの配送が必要な場合には有効な選択肢です。緊急輸送としての面も強く、突発的に大量の荷物を送らなくてはいけないときや、倉庫の移転作業等の他社と時間を共有できない荷物を扱うときに重宝されます。
混載便との違い
混載便は、複数の荷主の荷物をひとまとめにして運ぶ運用形態です。そのためコストを抑えやすい半面、運行タイミングや集荷・配送ルートは原則的に制限があります。早急に運ぶ必要はないが、可能な限り安く荷物を届けたい際に用いるケースが多いです。一方、チャーター便は専用利用となるため、基本的に他の荷物と混載されません。このため運送ルートや到着時刻の設定に自由度があり、特定のイベントや緊急時にも確実に合わせやすい点が大きな利点です。
チャーター便が利用されるケース
チャーター便は主に、大量の荷物を一度に送る必要がある場合や、極端にタイトな納期が求められる場合に利用されます。緊急時の在庫補充や災害支援など、迅速性が不可欠な局面で特に効果的です。また、取り扱いがデリケートな医療機器や美術品など、他の荷物との混載が好ましくないケースでもチャーター便が選ばれます。輸送中の振動や温度管理など、特別な配慮が必要な荷物にも適しているためです。
チャーター便の種類
チャーター便には、輸送手段によって大きく分類があり、それぞれに特色があります。ここでは、チャーター便の種類について詳しく解説します。
航空チャーター便
航空機を丸ごとチャーターする便で、スピードを重視する輸送に向いています。特に国際輸送や遠方への緊急配送などでは優位性が高いです。航空機をチャーターすることで、他社荷物とのスケジュール連携が不要になるため、大幅に時間を短縮できます。一方で、コストの面ではほかの輸送手段より大きくなることが多いため、重量や容積、緊急性などを総合的に考慮する必要があります。
船舶チャーター便
船主と用船契約を結び貨物輸送を行う方法のことで、多数のコンテナや大型設備・重機などを海路でまとめて輸送できます。大規模工事やプロジェクト向けの資材調達時に重宝されます。輸送コストは容積あたりで見ると比較的安価なことが多く、海外輸送や長期的な大量輸送では重要な選択肢となります。ただし、天候や航路の制限によってスケジュールが左右されやすい面もあります。
陸送チャーター便
トラック等の車両など、陸上輸送を借り切る方法です。国内の緊急配送や特定エリアへの大量輸送に適しています。小型車両から大型トラックまで選択肢が広く、荷物サイズや重量、輸送距離に合わせて手配可能です。例えば、軽車両なら運送費用が数千円程度からとなり、10tクラスの大型トラックだと数万円単位で見積もりされるケースもあります。時期や輸送条件、拘束時間によって、料金面で大きく変動することがあるため、複数の業者からの見積もりを取得し、自社の要件に合った車両を選ぶとよいでしょう。
チャーター便を選ぶ際の3つポイント
実際にチャーター便を利用するときは、いくつかチェックしておくべき項目があります。ここでは、チャーター便を選ぶ際の3つのポイントを紹介します。
目的に合った輸送手段の選択
スピードを重視するなら航空チャーター、コストと大量輸送に強いのは船舶チャーター、柔軟性を求める場合は陸送チャーターといった具合に、輸送方法を使い分けるのが理想です。
ただし、輸送コストや輸送可能な荷物のサイズ・重量、到着までにかかる日数などを総合的に考慮する必要があります。特に海外輸送の場合は、組み合わせ輸送(航空+船舶、陸送+船舶など)を検討することで、費用対効果をさらに高められるケースもあります。
信頼できる会社の比較と選定
チャーター便を提供する業者はいくつも存在しますが、料金やサービス内容、得意とする分野が異なります。事前に複数の業者に相談することで、最適な選択が可能になります。
業者の実績や顧客満足度を確認するほか、担当者の対応スピードや提案力も重要な指標となります。特に緊急性が高いケースでは、普段から連絡を取り合っているような業者がいると安心です。契約内容が分かりにくい場合は、追加料金の発生条件やキャンセルポリシーをしっかり聞き出しておきましょう。
安全性や運行状況の確認
輸送中に発生する事故や遅延は、荷主のビジネスに大きな影響を与えかねません。そのため、業者の運行管理体制が整っているか、ドライバーや操縦士の安全教育が行き届いているかをチェックすることが大切です。また、万が一の天候不良や機材トラブルに対して、代替策をすぐに提示できるかどうかも重要なポイントです。運行状況がリアルタイムで把握できる仕組みを持つ業者であれば、トラブルが起きた際の影響を最小限に抑え、迅速に対応できる可能性が高まります。
まとめ
チャーター便は、緊急性や大量輸送、特殊な輸送条件が求められる時に重宝されるサービスです。コスト面でのハードルはあるものの、信頼性や時間短縮効果は高く、多くの企業がビジネス戦略として利用を検討しています。それぞれの条件を踏まえ、適切な形でチャーター便を活用することで、物流の最適化と事業成長を両立する一助となるでしょう。
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