梱包とは?包装との違いや作業における注意点について解説

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梱包とは?包装との違いや作業における注意点について解説

本記事では、梱包の定義や目的をはじめ、梱包と包装の違いや実際に用いられる資材・方法についてまとめています。初心者でもイメージしやすいよう、実務に直結した内容を分かりやすく解説していきます。

梱包とは

梱包とは、単に箱に詰めるだけでなく、商品を輸送・保管する際に破損や劣化を防ぎ、安全に届けるための作業を指します。またECにおいては梱包状態に関するレビュー項目が設けられており、購入者の印象に影響を与える側面もあります。

梱包と包装の違い

梱包と包装は似たような言葉ですが、目的や用途が異なる点があります。両者の違いを理解することで、より適切な方法を選択できます。
一般的に、梱包は商品の保護や輸送の効率化を目的とし、緩衝材や輸送用の箱を用いて荷物が傷つかないようにする作業を指します。一方、包装は梱包の一部とも言えますが、一般的には商品の見た目を美しく整えたり、購入者に情報を提供したりするラッピングやパッケージデザインを指します。

包装の種類

包装には、個装・内装・外装など用途に合わせて複数の形態があります。

梱包の種類

梱包で用いられる資材は、運搬物の特性や輸送条件に応じて多種多様であり、代表的な資材とその特徴を把握することが重要となります。梱包方法を検討する際には、運搬物の重量や形状、梱包の目的や輸送条件をしっかりと把握し、コストと保護機能の両立を図ることがポイントです。代表的な梱包の種類には以下のようなものがあります。

ダンボール梱包

ダンボールは軽量で強度が高く、さまざまなサイズや厚みが選べる点が魅力です。組み立てがしやすく、OPPテープなどで密封できるため汎用性に優れています。複数の形状や仕切りを組み合わせることで、小物から大型製品まで対応しやすい点から、最も標準的な梱包資材として広く利用されています。費用面でも比較的コストを抑えられるため、ネット通販やメーカー出荷など幅広いシーンで活用されています。

木枠梱包

木枠は重量物や大型の精密機器の梱包に適しています。頑丈かつ通気性に優れ、長距離輸送でも商品をしっかり固定できるのが特徴です。輸出入の際にも活躍し、特に段ボールでは支えきれない程の重みに耐えられるため、より強度が求められる場面で選ばれます。木材の種類や組み方を工夫することで、コストと安全性のバランスを取りやすい方法でもあります。

パレット梱包

パレット梱包は複数の荷物をパレットの上にまとめて固定し、フォークリフトなどで一括移動しやすくする手法です。倉庫内での保管や積み替えがスムーズに行えるため、物流コストや作業時間を削減できます。特に大量出荷や一括管理が求められる場面で、効率を大きく高めるために用いられています。

スチール梱包

スチールバンドや金属製フレームを使う梱包方法で、重量物の固定や特殊なフレームを組んで運搬する場合に用いられます。スチールバンドでしっかりと荷物を縛ることで、大きな振動や衝撃にも耐えやすくなるのが利点で、大型かつ高価な機器を国内外へ輸送する際に採用されることが多いです。
非常に頑丈な反面、コストが高く専門的な作業が必要になるため、輸送におけるリスクと経済性を見極めて導入することが大切です。

真空梱包

真空梱包は商品をフィルムなどで密閉し、内側の空気を抜くことで酸化や湿気から守る方法です。食品や精密部品など、環境変化に弱い製品の品質保持に大きな効果を発揮します。長期保管や海外輸送で気候の違いがある場合にも、劣化やカビの発生を抑えるのに有効です。

梱包作業の手順

実際の梱包作業では、商品の特性を踏まえ、段取りよく行うことが求められます。基本的な手順を押さえておきましょう。
まず、商品をきれいに整え、サイズや重量に適した段ボールなどの梱包資材を用意します。次に、必要に応じて適量の緩衝材を配置し、商品が動かないように詰めます。輸送中の振動や衝撃を想定し、すき間があれば埋める、重心を考慮するなど、事前にしっかり対策を取ることが重要です。最後に、テープやバンドを使用してしっかり封緘し、破損や荷崩れを防ぎます。
一連の手順を標準化しておけば、作業員による梱包品質のバラつきを抑えられます。特にネット通販や物流の現場では作業効率だけでなく、顧客に届いたときの状態まで考慮した梱包を考慮することが重要です。

梱包作業の注意点

安全かつ効率的に梱包を行うには、資材や作業環境への配慮が必要です。梱包は作業者の経験や知識が大きく影響する工程です。梱包する物品の特性を理解しないまま資材を選ぶと、輸送中に破損する可能性を防ぐために、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

重量物や割れ物の扱い

重量物や割れ物は特に衝撃に弱いため、適切な緩衝材を用いて保護し、しっかりと固定する必要があります。木枠や堅固なダンボールを採用するのはもちろん、輸送経路での積み下ろし回数や扱われ方も考慮すると安全性が高まります。梱包作業中に運搬する作業員が無理な姿勢をとらないよう配慮し、資材スペックや規格を十分に理解し、正しく扱うことで作業者の安全にも注意を払いましょう。

EC出荷における梱包コスト

ECの出荷現場において梱包コスト面で見た場合、緩衝材の投入量と段ボール等の外装資材の種類数には注意が必要です。工場で製造される際の商品の梱包と違い、ECでは汎用的な資材の大きさを数種類用意し作業しているケースが大半です。人が梱包作業を行う際、「大は小を兼ねる」という意識から、大きめの資材を選びがちです。必要以上に大きなサイズを選択すると、箱の中の緩衝材の量が増え、宅配の配送サイズも大きくなります。その結果、資材コストだけでなく、EC物流費の大部分を占める配送費自体の増加を招く可能性があります。全ての注文に対応する資材を用意することは難しいものの、配送サイズを意識し、コンパクトな梱包手順や判断軸を設けるように工夫をするとよいでしょう。

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適切な資材を選ぶポイント

輸送方法や保管環境、商品価値などを総合的に考え、最適な梱包資材を選ぶことが重要です。例えば温度や湿度に左右されやすい商品には、防湿性を高めた梱包材を使うなどの工夫が求められます。
コストの観点から適切な資材を選ぶポイントとして、梱包にかかる費用だけでなく、輸送時の積載効率や保管コストなども含めて総合的にコスト分析をすることが大切です。耐久性が高く使い回しできるパレットを導入すれば、長期的な視点で費用を抑えることも可能です。場合によっては、多少資材コストが高くても、破損リスクの低減による返品率の改善や、作業効率の向上による人件費削減が見込めるでしょう。適切な初期投資が輸送事故を防ぎ、結果としてコストダウンにつながる場合もあります。安全性とコストのバランスを考慮して、過不足のない資材を選択しましょう。

JIS規格や環境対応の考慮

日本国内ではJIS規格をはじめとする品質・安全基準が存在し、輸送や保管時の安全性を担保するために遵守が求められます。また、近年は環境問題への関心も高まっており、リサイクル資材や回収・再利用が可能な包装資材への切り替えも重要な検討事項です。将来的なメリットを考慮したコスト削減や企業イメージの向上につながることから、環境対応へ積極的な姿勢をみせる企業が増加しています。

まとめ

梱包の理解を深めることで、商品の安全性や輸送効率を高めることができます。保護性やコストを考慮し、最適な梱包を行いましょう。
梱包は、単に商品を箱に詰める作業ではなく、輸送や保管に適した形に整える重要なプロセスです。適切な資材や手法を選ぶことで、荷崩れや破損のリスクを抑え、結果的に顧客満足度の向上やコスト削減につながります。
定期的に情報をアップデートし、最適な方法を選択することで、安全かつ効率的な物流体制を維持し続けることが可能になるでしょう。

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