株式会社 ANA Cargo

(レポート)ANA Cargoの事業戦略 ~CARGO+[Innovation]~

会社概要

株式会社ANA Cargo
グローバルセールス部 営業推進課 課長
相良 孝輔 (さがら こうすけ) 氏

ANA Cargoは、八十数社からなるANAホールディングスのうちの1つで、2014年に営業を開始しました。ANAグループの貨物事業を営業面からオペレーション面まで一体的に担っています。

2017年度の貨物郵便事業収入は約1,600億円で、グループ全体の収入の約9%になります。また、2017年度の取扱貨物量は約136万トンで、航空会社別搭載貨物重量で世界第9位にランクインしています。

●ANA Cargoの現行戦略(2019)

私たちの2019年の現行戦略で注力していることは3つあります。

1つ目は、2009年に那覇に設置した24時間離発着可能な「沖縄貨物ハブ」を拠点にしてアジアを中心に事業を展開していくことです。

2つ目は、エアラインチャーター(航空会社が自社の貨物輸送力を補完する目的で、他の航空会社の機材をチャーターし、自社便による輸送の場合と同様、荷主との運送契約や空港でのハンドリングを自社責任で行い、貨物の運航を行うチャーター形態)を活用して、主にアメリカ向けの事業を行うことです。

3つ目は、2014年にルフトハンザカーゴと、2016年にユナイテッドカーゴと開始した航空会社間の貨物共同事業「ジョイントベンチャー」により、欧米方面への輸送力を確保するとともに、より多くの仕向地への販売・輸送を一体化してスムーズに行うということです。

●ANA Cargoの新戦略(2022)

上で述べた内容が現行の戦略ですが、2022年に向けた新戦略では、「沖縄貨物ハブ」をブラッシュアップさせアジアに軸足を置きながら、新たに導入するボーイング777F型機(トリプルセブン)の自社大型貨物機2機を活用しながら、アジア=北米・欧州間でのサービスプロバイダーとしての領域も拡大していきたいと考えています。

また、大型貨物機では、半導体製造装置や医療機器等といった大型精密機器の輸送サービス・商品戦略を強化していきます。

●航空貨物業界のマーケットトレンド

レーン別航空貨物需要予測では、上位3位が、「東アジア-北アメリカ」「東アジア-ヨーロッパ」「東アジア諸国間」となっており、航空貨物マーケットはアジアが牽引していると言えます。

国別に見ると、中国がアジア最大の貨物マーケットとなっていて、成長率は年率6.1%です。日本の成長率は年率4.2%で、平均的な成長率となっています。

●航空貨物需要のキードライバー

技術革新の進展や社会構造の変化によって航空貨物に対するニーズも変化しており、今後は、自動車、半導体・電子デバイス、工作機械・産業ロボット、ヘルスケア用品、Eコマースが航空貨物需要のキードライバーになっていくと考えられます。

●Eコマースという新たな国際物流ニーズの出現

中国ではECが盛んで、アメリカや日本等から物を買う越境ECも年々増加しています。日本発中国向けの越境ECは、2021年には2兆8,000億円ぐらいになると予想されています。

アリババは現在、「‘24/72’」ということで、国内の商品は24時間以内、海外からの商品は72時間以内に届けることを目指しています。今後、中国向け航空物流の差別化のキーは「高速化」になっていくと考えています。

●今後の航空貨物事業について

・シェアリングエコノミー

いま、時代は、「モノは、個人が所有するのではなく、共有して、必要なときに利用する」という流れになっています。一方で、嗜好・サービスはパーソナライズしていく方向にあります。

物流業界では混載ということで昔からシェアリングの思想はあったのですが、物流サービスのオーダーメイド化に対しては、進めるほど顧客満足は高まるが、逆にコストや人手がかかり効率が低下するという課題がありました。そのため、繁忙期にはドライバーやトラック、倉庫といった資源の不足が生じます。こうした問題の解消のためにも、今や重要な社会基盤である物流業を構成する我々は、ITテクノロジーを活用しながら、稼働率を高めたり・安定化させることで、お客様を巻き込みながら、時にサービスの『混載』(シェアリング)など時代に即応していくことが必要だと思っています。

私たちのミッションは、ANA運航便への搭載誘導になりますが、それとともに、自社のお客様であるフォワーダー・荷主様、ステークホルダー、従業員、それぞれの満足度を向上しながら、持続的に発展していかなければならないと考えています。

・Digital Cargo Garageの取り組み

今後の航空貨物事業を見据えて、「Digital Cargo Garage」という専門組織を今年の4月に立ち上げ、「プロセス自動化・高度化」「コネクティビティ拡大」「新商品・新規ビジネス創出」に取り組んでいます。

「プロセスの自動化・高度化」においては、例えば、熟練工の技術が必要な貨物の積付作業を均一化できるようなロボットの開発を考えています。

また、「コネクティビティ拡大」においては、現在の紙・ファックスなどのアナログ手段から、関係者でデータ交換可能なデジタルプラットフォーム「ONE Record」への移行を進めています。

「新商品・新規ビジネス創出」においては、ドローンの研究・開発や、RFID等の活用による温度・衝撃・位置情報の商品化を考えています。

・BCP(事業継続計画)を考える~台風21号による関西空港の被害~

昨年9月、台風21号の直撃により、関西国際空港の機能が停止しました。そのため、通常関西空港を利用する九州圏・関西圏の貨物はルーティング変更を余儀なくされ、成田・羽田・北九州空港をフル活用して代替し、貨物輸送を維持しました。常に複数ルートを用意し、天災に備えることが重要です。

●羽田空港利用のご提案

最後に、2点、ご提案したいと思います。羽田空港と「沖縄貨物ハブ」利用のご提案です。

2020年に向けて発着枠が拡大される羽田空港利用のメリットはさまざまあります。例えば1つは、国内線旅客便最大のハブを活用することで、地方発貨物の集約が可能な点です。また、都心に近いので、国内トラック・東京港との有効活用ができます。

そして、オールインワンオペレーション(通関業務・検量やラベリング等の手倉業務・指定倉庫への配送業務・国内転送業務)の提供もしていますので、羽田に施設のない業者の方も利用しやくなっています。

●「沖縄貨物ハブ」利用のご提案

2点目は、「沖縄貨物ハブ」利用のご提案です。沖縄ハブでは、24時間空港の利点を生かした24時間の通関体制と、深夜発、翌朝到着のダイヤを実現していますので、例えばEコマースで、20時ぐらいまでの注文でも翌朝着が可能になるという利点があり、新たなスピードによるビジネスチャンスが創出できるのではないかと考えます。

沖縄ハブにおいては、空港、港湾、物流特区の機能を組み合わせた総合物流エリアが整備されつつあり、沖縄県による新たな物流助成プログラムが施行されようとしていますので、ぜひ皆様に活用をご検討いただきたいと考えています。

講師紹介

株式会社ANA Cargo
グローバルセールス部 営業推進課 課長
相良 孝輔 (さがら こうすけ) 氏

中国本土・香港などアジアを中心に10年を超える駐在を含み、ANAの旅客・貨物部門双方にて、一貫して国際業務に携わる。
現在は、ANA Cargoのグローバルセールス部門において、顧客との協働を通じた、新規ビジネス開発を中心に担当している。

企業 株式会社 ANA Cargo

募集要項

イベント名 第54回CREフォーラム|ANA Cargo の事業戦略 ~ CARGO + [ Innovation ] ~
日時 2019年 5月 17日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了
会場 虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階
東京都港区虎ノ門2-10-1 google map
参加対象者 荷主・物流企業 様
参加費/定員 無料/70名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティングチーム
担当:
石原圭子(イシハラ) 近藤玲奈(コンドウ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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