倉庫の湿気・結露問題|リスクと対応策を解説

CREコラム

倉庫の湿気・結露問題|リスクと対応策を解説

倉庫内の湿気は、カビや結露を発生させ、保管している商品の品質劣化や設備の故障、さらには従業員の作業環境や体調にまで悪影響を及ぼします。目に見えにくい湿気の問題ですが、放置すれば大きな損失やリスクを引き起こす重大な問題です。
本記事では、物流分野に強みを持つシーアールイーが、倉庫の湿気や結露によるリスクとその対応策、効果的な予防策について詳しく解説します。

倉庫の湿気や結露が引き起こすリスクと対応策

結露は、暖かく湿った空気が温度の冷たい場所に触れ、空気中の水分が水滴となることで起こります。
特に倉庫は天井が高く、上部空間の空気と下部の空気との温度差が大きくなりやすいため、結露が発生しやすいといわれています。また、倉庫は表面が冷えやすいコンクリートの壁面や床面であることが多いため、結露が起こりやすくなっています。以下では、結露によって引き起こされるリスクについて解説します。

カビの繁殖による保管環境の悪化

倉庫内の湿気が高まると、カビや細菌が繁殖しやすい保管環境が生まれます。これにより、保管物にカビが付着したり、腐敗や変質が進んだりして、商品の品質が著しく損なわれる可能性があります。
特に革製品や繊維製品、紙製品などは影響を受けやすく、最悪の場合、廃棄や返品につながる恐れもあります。その他にも長期間保存することが多い、アパレルのデッドストック品なども注意が必要です。もしも、カビが見つかったらこれ以上被害を拡大させないために、カビの胞子を飛散させないように処理しましょう。
カビの発生要因として、通気性が良くないことが挙げられます。そのため、空気が滞留しないように考慮して保管物を配置し、定期的に空気を循環させる対応が必要です。
湿気に弱い商品などがあればあらかじめ、設備として定温・定湿を保てる定温倉庫での保管がおすすめです。

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漏電による火災

倉庫内の湿度が高くなり、コンセントやプラグの隙間に溜まった埃が湿気を帯びることで、漏電を起こし火事になるリスクがあります。これをトラッキング現象といい、本来であれば通電しない絶縁体に電気が流れ、熱が発生し発火します。空気が滞留しやすい箇所は埃と同時に湿気も溜まりやすいため注意が必要です。
対応策としては、コンセントやプラグ周辺のこまめな清掃、古くなったプラグの使用を避けることの他に、空気の滞留による湿度の上昇を防ぐために空気を循環させることが挙げられます。

段ボールの強度低下による荷崩れ

段ボールは、主原料が紙素材のため吸湿率が高まると強度が下がります。段ボールは湿度の高い状態が続くと、荷重に耐えられなくなり荷崩れする可能性があります。湿気によって膨らんだり、型崩れを起こすと形状は乾燥しても元には戻りません。段ボールの強度低下による型崩れが引き起こす荷崩れをストレッチフィルムを巻くことで防止することができます。
湿気により強度が低下した段ボールの状態に加え、積み付けがズレた状態だと強度はさらに低下し、荷崩れのリスクが高まります。総合的に荷崩れを防止するためには、パレタイズでの積み付け方も重要です。

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床濡れによる走行車両のスリップや転倒事故

床面が結露していて、濡れているとフォークリフトなどの走行車両がスリップする可能性があります。走行車両のスリップが作業員や設備との接触や脱輪、運転手の落下などのさらなる事故につながるリスクがあることもあります。
走行車両のタイヤの溝がすり減っているとブレーキが効きにくく、滑りやすくなります。未然に事故を防ぐためにも、定期点検と早めの交換が重要です。
また、作業員の転倒などの重大な事故につながる危険性もあります。

作業環境の悪化

湿度が高いと作業者の体調や気分にも悪影響を及ぼします。多湿環境では、汗が蒸発しにくく、体温調整が上手くできなくなることで、体調が悪くなったり疲労感を感じやすくなったりします。その結果、作業効率を下げる可能性もあります。
倉庫管理者は、特に夏場はその日の作業環境の温度や湿度を暑さ指数(WBGT)に基づいて確認し、こまめな休憩や作業者の健康状態のチェックなどの対策を取って、安全な作業環境を維持しましょう。

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倉庫の湿気を改善するには

倉庫内の湿度は外気の湿度が高い場合に高まります。
まず初めに取るべき対策として、倉庫の有圧換気扇を回して、湿気を外に逃がしましょう。ただ、倉庫の設備によっては、給気と排気が一体になった有圧換気扇の場合があります。その有圧換気扇を回してしまうと、外の空気を倉庫内に取り込んでしまい湿気を解消できないため、備え付けの有圧換気扇の仕様を確認してから使用しましょう。

次に取る対策として、空気を入れ替えられない場合には、シーリングファンを使用することで倉庫内に滞留している空気を攪拌させましょう。そうすることで、湿度のムラを均一化し湿気を緩和して、結露を防止することができます。また、風を身体に受けることで冷却効果が働き、涼しく感じるため夏場の作業環境の改善にもつながります。

まとめ

倉庫内の湿気対策は、商品の品質や安全な作業環境を守るうえでも欠かせません。
湿気によるリスクを回避するためには、換気や定期的な設備点検などといった多角的な手段を組み合わせることが重要です。
倉庫の作業環境の改善など、物流課題の解決に取り組まれる際は、 複数企業と連携した物流プロセス全体の最適化を推進するソリューションを展開するシーアールイーにご相談ください。また、シーアールイーが運営するサイト「CRE倉庫検索」では、各社の物流課題への取り組みを独自取材したインタビュー記事など物流課題の解決のヒントとなる情報も豊富に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

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