倉庫の湿気・結露問題|リスクと対応策を解説
倉庫内の湿気は、カビや結露を発生させ、保管している商品の品質劣化や設備の故障、さらには従業員の作業環境や体調にまで悪影響を及ぼします。目に見えにくい湿気の問題ですが、放置すれば大きな損失やリスクを引き起こす重大な問題です。近年は猛暑や豪雨などの異常気象が増加し、2026年も全国的に高温多湿な環境が続くことが予想されているため、倉庫の湿気・結露対策の重要性はますます高まっています。
本記事では、物流分野に強みを持つシーアールイーが、倉庫の湿気や結露によるリスクとその対応策、効果的な予防策について詳しく解説します。
倉庫の湿気や結露が引き起こすリスクと対応策
結露とは、暖かく湿った空気が冷えた壁や天井、床などに触れることで、空気中の水分が水滴となって現れる現象です。特に倉庫は天井が高く、上部と下部で温度差が生じやすい構造のため、結露が発生しやすい環境といわれています。また、コンクリート製の壁面や床面は表面温度が低くなりやすく、結露を引き起こす要因の一つです。倉庫内で発生した結露は、保管している商品や建物の劣化だけでなく、作業環境や安全性にも悪影響を及ぼす可能性があります。以下では、結露によって引き起こされる主なリスクについて解説します。
カビの繁殖による保管環境の悪化
倉庫内の湿気が高まると、カビや細菌が繁殖しやすい保管環境が生まれます。これにより、保管物にカビが付着したり、腐敗や変質が進んだりして、商品の品質が著しく損なわれる可能性があります。
特に革製品や繊維製品、紙製品などは影響を受けやすく、最悪の場合、廃棄や返品につながる恐れもあります。その他にも長期間保存することが多い、アパレルのデッドストック品なども注意が必要です。もしも、カビが見つかったらこれ以上被害を拡大させないために、カビの胞子を飛散させないように処理しましょう。
カビの発生要因として、通気性が良くないことが挙げられます。そのため、空気が滞留しないように考慮して保管物を配置し、定期的に空気を循環させる対応が必要です。
湿気に弱い商品などがあればあらかじめ、設備として定温・定湿を保てる定温倉庫での保管がおすすめです。
漏電による火災
倉庫内の湿度が高くなり、コンセントやプラグの隙間に溜まった埃が湿気を帯びることで、漏電を起こし火事になるリスクがあります。これをトラッキング現象といい、本来であれば通電しない絶縁体に電気が流れ、熱が発生し発火します。空気が滞留しやすい箇所は埃と同時に湿気も溜まりやすいため注意が必要です。
対応策としては、コンセントやプラグ周辺のこまめな清掃、古くなったプラグの使用を避けることの他に、空気の滞留による湿度の上昇を防ぐために空気を循環させることが挙げられます。
段ボールの強度低下による荷崩れ
段ボールは、主原料が紙素材のため吸湿率が高まると強度が下がります。段ボールは湿度の高い状態が続くと、荷重に耐えられなくなり荷崩れする可能性があります。湿気によって膨らんだり、型崩れを起こすと形状は乾燥しても元には戻りません。段ボールの強度低下による型崩れが引き起こす荷崩れをストレッチフィルムを巻くことで防止することができます。
湿気により強度が低下した段ボールの状態に加え、積み付けがズレた状態だと強度はさらに低下し、荷崩れのリスクが高まります。総合的に荷崩れを防止するためには、パレタイズでの積み付け方も重要です。
床濡れによる走行車両のスリップや転倒事故
床面が結露していて、濡れているとフォークリフトなどの走行車両がスリップする可能性があります。走行車両のスリップが作業員や設備との接触や脱輪、運転手の落下などのさらなる事故につながるリスクがあることもあります。
走行車両のタイヤの溝がすり減っているとブレーキが効きにくく、滑りやすくなります。未然に事故を防ぐためにも、定期点検と早めの交換が重要です。また、作業員の転倒などの重大な事故につながる危険性もあります。
倉庫の湿気を改善する対応策
天井付近の温度ムラを解消する
物流倉庫では、天井高が5mを超える大型施設も多く、暖かい空気が上部にたまり、床付近との温度差が生じやすくなります。この温度差によって、屋根面や梁、壁面などの温度が低い部分で結露が発生する場合があります。対策としては、大型ファンやシーリングファンを設置し、上部にたまった暖気を循環させることで、倉庫内の温度分布を均一化できます。特に高床式倉庫や大空間を持つ物流施設では、空気循環による温度ムラの解消が結露防止につながります。
荷捌きエリアからの湿気流入を抑制する
倉庫では、トラックバースやシャッター開口部から外気が頻繁に流入します。梅雨時期や夏場など外気の湿度が高い時期には、開閉作業のたびに大量の湿気が倉庫内へ入り込み、結露の原因となります。特に搬入口付近は、外気との温度差によって床面が結露しやすく、フォークリフト作業時のスリップリスクや商品の濡れにつながる可能性があります。
対策としては、ドックシェルターやエアカーテンの設置、シャッター開閉時間の短縮などにより、外気の流入量を抑えることが有効です。
まとめ
倉庫内の湿気対策は、商品の品質維持や安全な作業環境の確保に直結する重要な要素です。換気設備や空調設備の有無、建物の断熱性能など、倉庫ごとの設備条件を確認したうえで、適切な環境管理を行うことが重要です。特に、温度・湿度管理が求められる商品を保管する場合は、空調設備を備えた倉庫を選定することで、結露やカビの発生リスクを抑え、安定した保管環境を確保できます。倉庫選びの際には、坪数や立地だけでなく、保管する商品や運用方法に適した設備環境が整っているかを確認することが大切です。空調設備を備えた倉庫をお探しの方は、現在募集中の貸倉庫一覧をご覧ください。