冷凍冷蔵倉庫とは?冷蔵倉庫の設備基準についても分かりやすく解説

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冷凍冷蔵倉庫とは?冷蔵倉庫の設備基準についても分かりやすく解説

冷凍冷蔵倉庫とは、一定の低温環境で商品の保管・出荷を行う特殊な物流施設で、主に食品・医療・化学業界などで活用されています。冷凍食品、肉や魚、野菜などの生鮮品、チーズやヨーグルトといった乳製品など日常の生活で目に触れる商品を取り扱うための施設です。本記事では温度帯の区分や、冷蔵倉庫の設備基準について具体的に解説します。

冷凍冷蔵倉庫とは

冷凍倉庫・冷蔵倉庫とは、食品や医薬品など温度管理が必要な貨物を、10℃以下の温度帯で保管・管理する倉庫を指します。分類上、10℃以下で保管する倉庫はすべて「冷蔵倉庫」に含まれ、その中でもより低温での保管を行うものが「冷凍倉庫」と位置づけられます。実務上は両者を区別して呼ぶことが多いため、倉庫業法では温度帯に応じた等級区分が設けられています。
一方で、「冷凍冷蔵倉庫」という呼称は、法令上で定義された正式名称ではありません。冷凍倉庫と冷蔵倉庫を包括的に表現するために、業界慣行として広く用いられている便宜的な用語です。実務では一般的に使用されているものの、制度や契約内容を正確に理解するうえでは、倉庫業法に基づく温度区分や等級を正しく把握することが重要です。

冷蔵倉庫と冷凍倉庫の違い

冷蔵倉庫と冷凍倉庫の違い

冷蔵倉庫と冷凍倉庫の大きな違いは、保管する温度帯と、それに適した貨物の性質にあります。
冷蔵倉庫は、10℃以下〜マイナス18℃程度までの温度帯で商品を保管する倉庫で、倉庫業法上は「C級(チルド級)」に分類されます。主に、肉・魚・農産物・乳製品など、凍結させずに鮮度を維持したい食品の保管に用いられ、商品ごとに細かな温度や湿度の調整が求められる点が特徴です。
一方、冷凍倉庫は、マイナス18℃以下の低温環境で商品を保管する倉庫で、「F級(フローズン級)」に区分されます。アイスクリームや冷凍食品、冷凍水産物など、凍結状態を維持することで品質を長期間保つ必要がある貨物が対象となります。厳格な温度管理が求められるため、高性能な断熱構造や冷却設備を備えているほか、保管前に急速冷凍工程を行うケースもあります。

令和6年4月1日に施行された、冷凍・冷蔵倉庫の温度区分細分化に関する法改正とは

国土交通省は、近年の冷凍食品の保管量の増加や電気料金の高騰化などの変化を受け、保管料高騰の抑制や環境負荷の低減を図る目的から従来の温度帯区分が細分化し、より適正な取引を促す必要があることから、告示について改正を行いました。

改定後、温度帯はC級(クーラー級)とF級(フリーザー級)、SF級(スーパーフリーザー級)に区分され、さらにこの中でC級は3つの等級、F級は3つの等級、SF級は4つの等級と計10等級に細分化されました。
1番高い温度帯の等級は10℃以下で冷蔵、1番低い温度帯の等級は-50℃以下で超低温と呼ばれ、超低温はマグロなど鮮度管理の難しい商品に使用されます。詳しくは、国土交通省のHPをご覧ください。

冷蔵倉庫に必要な設備基準とは

冷蔵倉庫は倉庫業法による施設・設備基準を満たしている必要があります。具体的には、以下のように定義づけられています。

冷蔵倉庫に係る施設設備基準は、第三条の三に定めるもののほか、次のとおりとする。 
第三条の四第二項各号(第四号から第六号まで及び第十一号を除く。)の基準に適合していること。 
倉庫内の要所に、倉庫内と外部との連絡のための通報機その他の設備を有すること。 
冷蔵室の保管温度が常時摂氏十度以下に保たれるものとして国土交通大臣の定める基準を満たしていること。 
見やすい場所に冷蔵室の温度を表示する温度計が設けられていること。 

設備基準①関係法令への適合性、倉庫の構造・設備について

冷蔵倉庫では、以下の関係法令へ適合していることが要されます。

・建築基準法
・建築基準関係規定
・高圧ガス保安法


また、冷蔵倉庫は、倉庫の構造や性能に関するさまざまな規準が設けられています。倉庫業法は、一類倉庫の基準のうち、以下の基準を除いた全ての基準を満たしていなければならないと定義しています。

・土地に定着し、かつ、屋根及び周囲に壁を有する工作物であること。
・軸組み、外壁又は荷ずり及び床の強度が、国土交通大臣の定める基準に適合していること。
・構造及び設備が、倉庫内への水の浸透を防止するに足るものとして国土交通大臣の定める基準に適合していること。
・危険物等を取り扱う施設その他の国土交通大臣の定める施設に近接する倉庫にあつては、国土交通大臣の定める災害防止上有効な構造又は設備を有すること。
・倉庫の設けられている建物内に事務所、住宅、商店等の火気を使用する施設又は危険物等を取り扱う施設が設けられている場合にあつては、当該施設が、国土交通大臣の定めるところにより区画されていること。
・消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第六条に定めるところにより消火器等の消火器具が設けられていること。この場合において、倉庫の延べ面積が百五十平方メートル未満であるときは、これを延べ面積が百五十平方メートルの倉庫とみなして、同規則第六条の規定を適用する。
・国土交通大臣の定める防犯上有効な構造及び設備を有していること。

設備基準②通報機の設置

冷蔵倉庫の冷蔵室には、万が一、人が室内に閉じ込められた場合でも、外部に助けを求められる設備を設けることが求められています。そのため、冷蔵室内の要所には、外部と連絡できる通報機などの安全設備を設置する必要があります。ここでいう「通報機」とは、非常ベルや電話機など、冷蔵室内から外部へ異常を知らせるための設備を指します。これらは、冷蔵室の低温環境下でも確実に作動する性能を備えていなければなりません。また、冷蔵室内が消灯している場合でも、閉じ込められた人がすぐに通報機の場所を把握できるよう、位置を示す灯火(表示灯)を設けることも求められています。

設備基準③保管温度の確保

冷蔵倉庫では、冷蔵室内の温度を常に10℃以下に維持できる性能が求められています。そのために定められているのが、「冷凍能力」と「冷却設備」に関する基準です。
まず重要なのが、冷凍機の冷凍能力です。冷凍機は、外気や壁・床から入り込む熱、入庫した貨物を冷やす際に発生する熱、人や機械の稼働による熱など、冷蔵室内で発生するすべての熱量を上回る冷却能力を持っていなければなりません。これにより、夏場など外気温が高い時期でも、安定した温度管理が可能になります。
次に、冷却管の冷却面積も基準の対象です。冷蔵室内に設置される冷却管は、必要な冷却量を十分にまかなえる表面積を確保していることが求められます。冷却方式によっては、冷却に使う媒介液(ブライン)用の設備についても、同様に適切な冷却面積が必要です。これらの基準の詳細や計算方法については、国が出している冷蔵倉庫の施設設備基準の資料を確認するとより正確に理解できます。詳しくは国の告示やガイドラインなどの公的情報をご参照ください。

設備基準④温度計の設置

冷蔵倉庫では、庫内温度を適切に管理するため、各室やゾーンに応じた数の温度計や温度センサーを、確認しやすい位置に設置することが求められます。温度計は、液体温度計や気体温度計など、温度を容易に測定できる計器が該当します。
倉庫の規模が大きい場合や温度管理が重要な施設では、エリアごとに複数の測定ポイントを設け、庫内の温度を常時監視するのが一般的です。また、事務所などで庫内温度を集中管理し、電光掲示板やモニター画面で温度状況を即座に確認できる場合は、現地に個別の温度計がなくても基準を満たしていると判断されます。

冷凍冷蔵倉庫を利用するという選択

ここまで、冷蔵倉庫に求められる法令上の施設・設備基準について整理してきました。これらは、冷蔵倉庫として運用するうえで前提となる考え方です。
一方、実際の物流現場では、冷蔵倉庫と冷凍倉庫をまとめて「冷凍冷蔵倉庫」と呼び、取り扱う温度帯や設備仕様に応じて使い分けるのが一般的です。倉庫を選定する際には、法令上の区分だけでなく、保管する商品の特性や必要な温度帯、運用条件に合っているかという視点も欠かせません。ここからは、冷凍冷蔵倉庫を利用する際に整理しておきたい検討のポイントを見ていきます。

冷凍冷蔵倉庫を利用したい場合の検討手順

いざ冷凍冷蔵倉庫を活用したいと考えたら、まずは必要事項を整理することが重要です。
保管すべき商品がどの程度の正確な温度帯を必要とするのかを明確にし、その上で複数の倉庫の設備仕様を比較検討するのが基本的な手順です。利用期間や保管量、流通量などの要件を整理するとスムーズです。

①BTS型かマルチテナント型を選ぶ

Build-To-Suit(BTS)型はテナントの要望に合わせて倉庫を設計・建築する方式で、独自の温度帯設定やレイアウトに対応できます。ただし、初期コストや建設までのリードタイムがかかります。
マルチテナント型は既存または複数のテナントで共用する倉庫で、比較的手軽に利用できる点が特徴です。利用規模が大きくない場合や、標準化された設備で十分な時に適しています。
事業規模や保管品目の性質、コスト面を総合的に考慮して、それぞれの方式が持つメリット・デメリットを比較検討することが重要です。

②立地や温度帯の目安をつける

倉庫の立地は輸送コストや納期に直結します。自社の配送先にアクセスしやすい場所を選ぶと、輸送の効率化につながるでしょう。
商品に適した温度帯を明確にした上で、冷凍冷蔵倉庫のタイプを検討します。-5℃前後から-25℃、さらに特殊な-40℃以下など対象となる区分を把握することが大切です。
立地と温度帯の両方が最適な倉庫ほど競争率が高く、早期に契約が埋まることもあります。余裕を持ったリサーチと交渉を進めることで、自社の希望条件に合う倉庫を選ぶことができます。

冷凍冷蔵倉庫はBTS型がおすすめ!その理由とは

BTS型倉庫は、企業ごとのニーズに合わせて柔軟に対応できる点が大きなメリットです。
独自の温度管理システムや作業動線を設計段階から組み込むことができるため、商品の特性に合わせた最適な保管環境を実現しやすいです。大量の在庫を保管する場合でも、拡張性を見込んだプランが立てやすくなります。

自由設計での建築ができるため、雑菌や霜対策が可能

BTS型を選ぶ最大の魅力は、庫内動線から断熱対策、湿度管理の仕組みまでを自由に設計できる点です。保管する商品の特性を踏まえてレイアウトを最適化できるため、作業時間と品質管理の両面で効果が期待できます。
雑菌や霜の発生は湿度や温度差に大きく左右されます。BTS型では空調や冷却設備の配置を計画段階でもっとも効果的な配置にしやすく、トラブル発生率を下げることに寄与します。
さらに、衛生面に厳しい基準を適用しなければならない食品や医薬品を扱う場合でも、床材や排水設備などを含めて徹底的にカスタマイズできるため、高水準の安全対策を実現できます。

必要な設備だけを選んで導入できる

BTS型では必要な設備を厳選し、コストの最適化が図れます。
地震や火災への耐久性など基礎的な安全設計はもちろん、温度管理や湿度管理など特定の商品特性に合わせた設備をピンポイントで導入可能です。導入時の費用対効果が高まりやすいのが特徴です。
余計な設備や過剰な仕様を省けるため、無駄な維持管理コストを削減できます。既存の標準倉庫と比較すると柔軟性が高く、最新技術を積極的に取り入れることも容易です。
また、将来的に設備を拡張したい場合でも、あらかじめ拡張スペースや電源容量に余裕を持たせることで、スムーズな増設が可能になります。事業の成長ペースに合わせて最適化を続けられるのが大きな強みです。

BTS型の倉庫ならCREにご相談ください

BTS型倉庫の開発や運営で実績のある企業の一つがCREです。業界知識を豊富に持ち、物流施設に関するノウハウを蓄積してきた点が強みといえます。
また、冷凍冷蔵をはじめとする専門性の高い設備を扱うには、通常よりも緻密な設計が必要です。CREには物流施設の設計に特化した有資格者や建築専門スタッフが在籍しているため、初めて冷凍冷蔵倉庫の建設を検討している企業にとっても心強いパートナーとなるでしょう。また、さまざまな企業の要望に応じた倉庫開発実績を基に、温度帯やセキュリティなどの特殊要件にも柔軟に対応します。安心して任せられる点が魅力です。

まとめ

冷凍冷蔵倉庫は、商品の品質や安全を守る上で必要不可欠なインフラです。
温度帯や設備によって保管できる商品の範囲が変わり、いかに適切に管理するかが企業の信頼にも直結します。既存の倉庫を利用するか、BTS型でオリジナルの倉庫を建てるかは事業方針や規模によって異なります。利用希望者は立地やコスト、設備の充実度などを総合的に検討しましょう。
冷凍冷蔵倉庫の利用を検討している方は、ぜひ株式会社シーアールイーへご相談ください。
BTS倉庫のご提案や、お探しのエリアの冷蔵設備がある倉庫のご紹介も可能です。下記より、お気軽にお問い合わせください。

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