物流倉庫とは?独自調査に基づいた最新の市場動向や種類を解説

CREコラム

物流倉庫とは?独自調査に基づいた最新の市場動向や種類を解説

物流倉庫とは、商品の保管・仕分け・出荷などを行う物流施設であり、サプライチェーンを支える重要なインフラです。近年では、単なる「保管場所」ではなく、自動化・多機能化が進み、事業戦略における中核的な役割を担うようになっています。
こうした物流倉庫の重要性が高まる中、「物流倉庫の市場」への注目はますます高まっています。エリアごとの需給バランス、開発動向を把握することは、拠点選定や投資判断に直結するためです。本記事では、物流分野に強みを持つシーアールイーが、物流倉庫の基本や独自調査に基づいた最新の市場動向、種類について、わかりやすく解説します。

物流倉庫とは|最新の市場動向も解説

物流倉庫とは、商品の保管や仕分け、配送を担う施設です。主にメーカーや小売業者、物流会社などが利用し、在庫の管理や流通の調整に欠かせない役割を担っています。
荷物の種類や取扱量に応じて、常温・冷蔵・冷凍といった温度帯や、平屋建て・多層階といった構造の違いがあります。仕分けや配送などのフローもシステム化されて管理されるため、効率性を求められる物流業務において重要な拠点です。

拡大を続ける国内賃貸大型物流倉庫市場、2021年以降でストック量2.4倍

以下のグラフは、シーアールイーの独自調査に基づいた、日本国内(※1)における賃貸大型物流倉庫のストック量(供給量)の推移を示しています。物流倉庫の新規供給は弱まることなく推移し、2025年2Qにはのべ3,300万㎡を超えました。また、グラフからも明らかなように2021年以降、Eコマースの急速な拡大や多様化する消費者ニーズを背景に、供給量は約2.4倍に増加しました。
※1:シーアールイーが調査するエリア(首都圏・中部圏・関西圏・九州圏)に限る

日本全国の1万㎡以上の賃貸物流倉庫の新規供給量の推移
出所:株式会社シーアールイー| 倉庫・物流不動産 マーケットレポート調査情報をもとに作成
日本全国の1万㎡以上の賃貸物流倉庫の新規供給量の推移
出所:株式会社シーアールイー| 倉庫・物流不動産 マーケットレポート調査情報をもとに作成

首都圏の大型物流倉庫の最新の市場を解説 ※2025年6月末までの最新データを用いて解説

首都圏の大型物流倉庫市場では、前回の調査(2025年3月末)と比較して、供給の減少と底堅い需要により、これまで上昇傾向にあった空室率の悪化が一時的に落ち着きを見せています。今期の首都圏の大型物流倉庫の新規供給は約13.8万坪にとどまり、4年3か月ぶりに15万坪の大台を下回りました。大型倉庫の開発が続いていた中で、一部では着工の見直しや計画の先送りが生じており、これが開発ペースの鈍化、ひいては供給減少につながった側面もあります。
一方で、総需要は引き続き堅調に推移しており、今期も約17.0万坪と高水準を維持しました。3年9か月連続で15万坪を超えており、依然として消費行動の変化や物流の高度化ニーズが倉庫需要を継続的に押し上げている状況です。

出所:倉庫・物流不動産 マーケットレポート(β版) Ver.202506
   大型倉庫 首都圏
出所:倉庫・物流不動産 マーケットレポート(β版) Ver.202506
   大型倉庫 首都圏

機能別:物流倉庫の種類

物流倉庫(物流センター)は、担う機能や役割によって、いくつかの種類に分けられます。以下では、具体的に倉庫の種類を解説します。

DC(ディストリビューション・センター)

DC(ディストリビューション・センター)とは、保管業務を含んでいる物流拠点です。DCでは、入荷してきた商品を一度保管した後、出荷指示に応じてピッキング、梱包、配送を行います。また、物流センター内でラベル張りや詰め合わせ、ギフト包装などの流通加工作業も行います。

関連記事 出荷とは?受注から商品を送り出すまでの一連の工程|出荷業務を効率化するポイントも紹介

TC(トランスファーセンター)

TC(トランスファーセンター)は、主に商品の積み替え作業を行うための物流拠点です。TCは在庫を持たない倉庫であるため、一般的な倉庫の保管機能を持っていません。メーカーなどから商品が届くと、即座に仕分けや積み替えを行い、そのまま小売店や卸業者などに出荷をします。

PDC(プロセスディストリビューションセンター)

PDC(プロセスディストリビューションセンター)は、準工場化された機能を持つ物流拠点であり、詰め合わせなどの簡易的な流通加工のみならず、肉や魚の加工、パック詰めといった生鮮食品加工や機械の組み立てなど、より高度な流通加工を行います。PDCは、加工作業を行うため、生産ラインや人件費といった各種コストがDCなどと比較して多くかかる点が特徴です。

関連記事 流通加工とは?|基礎知識や工程を解説

FC(フルフィルメントセンター)

FC(フルフィルメントセンター)は、顧客からの発注から発送、在庫管理、顧客対応までを包括的に対応する物流拠点です。また、物流機能だけではなく、ITインフラやバックオフィスなどの機能なども整えられています。フルフィルメント by Amazon(FBA)や、楽天スーパーロジスティクス(RSL)、ヤマト運輸フルフィルメントサービスなどが該当します。そのため、小ロット多品種を取り扱うEC事業者にとって、業務の効率化を実現させるために有効な施設となっています。

関連記事 フルフィルメントとは?業務プロセスやサービス導入のメリットや注意点を解説

立地別:物流倉庫の分類

物流倉庫の立地は、生産拠点または消費地のどちらの近くに配置するかによって分類されます。倉庫の配置は、保管する物や物流ネットワークに合わせて選択する必要があり、事業に影響を与える重要な要素です。

生産立地型

生産立地型の物流倉庫は、主に製造拠点や仕入れ先の近くで商品を保管するために建てられる倉庫です。近くに置かれることで輸送距離が短くなり、輸送コストや時間を削減できます。特に生鮮食品加工や建築部材、アパレルメーカーなどに多い形態であり、仕入れ頻度が高く、配送先よりも仕入れ先のほうが多い業種で採用されています。

在庫を効率的に管理し、タイムリーに出荷できる体制を築きたい場合には、生産立地型を選ぶとよいでしょう。

消費立地型

消費立地型の物流倉庫とは、商品を消費する地域の近くに作られた倉庫のことです。消費立地型は商品を配送先に迅速に届けることが可能であり、仕入れ先よりも配送先の件数が多いケースや、配送スピードが求められる業態に向いています。

また、賞味期限が短い生鮮食品や日用品を取り扱う場合にも、消費立地型の倉庫は適しています。商品の劣化を防ぎつつ、新鮮な状態で配送先に届けられるため、食品業界や小売業界などで採用されています。

まとめ

物流倉庫の最新の市場動向や、種類について解説しました。自社や市場の状況、将来的な物流戦略を考慮した上でベストな物流倉庫を選択することが重要です。事業の立ち上げ期や成熟期に伴い自社物流に切り替える際など物流拠点や貸し倉庫をお探しの際は「CRE倉庫検索」をご活用ください。

CRE倉庫検索は、全国の賃貸倉庫物件を掲載し、利用者が簡単に目的に合った物件を見つけられるプラットフォームです。物件の詳細条件に基づいた検索が可能で、事業の成長や運営効率化も考慮した物件を探せます。倉庫の規模や施設の特性を詳しく調べたい場合や、特定の地域での倉庫探しが必要な場合にも、「CRE倉庫検索」が役立ちます。

倉庫物件情報や市場動向・調査を記したレポートのほかにも、ウェビナーやインタビュー記事など物流に関するお役立ちコンテンツを豊富に掲載しておりますので、ご活用ください。

エリア別の募集中物件

東京都 https://www.logi-square.com/search/result/tokyo
埼玉県 https://www.logi-square.com/search/result/saitama
千葉県 https://www.logi-square.com/search/result/chiba
神奈川県 https://www.logi-square.com/search/result/kanagawa
愛知県 https://www.logi-square.com/search/result/aichi
大阪府 https://www.logi-square.com/search/result/osaka
 
 

CRE倉庫検索で物件をお探しの方へ

CRE倉庫検索を運営するシーアールイーでは、業界トップクラスのネットワークを活用し、経験豊かなプロフェッショナルが、お客様のご要望に合わせた物件情報のご提案、物件探しをご支援します。

事業用物件を売りたい・貸したい方へ

事業用物件、倉庫や工場、事務所で売りたい・貸したい方、気軽にマスターリースにご相談ください。状況に合わせてご提案させていただきます。

詳細条件で検索

都道府県・
エリア
賃貸面積
  • 範囲で指定
  • 数値で指定
賃料
用途
取引形態
用途地域
最寄りIC
その他条件